【座禅合宿: 道のり編】
以前、ミャンマーにあるチャンミーメディテーションセンターで泊まり込みの瞑想修行を行った事がある。起きている時間はほぼ瞑想、シャワーも無いので桶に溜めた水というハードコアな内容。
日本を離れ、携帯や本、もちろん、人と話すことさえ禁止されたあの場所で得たものは大きく、人生哲学に大きな影響を与えた。
帰国後、何年か経ち、徐々に学びが薄れてきたのを感じていた。せっかく日本にも禅宗というものがあるのだからいつかこちらでもと思うようになり、そして今回、念願の曹洞宗 正覚寺の宿坊にて座禅合宿に行って来たという流れである。
正覚寺とは
いくつかネットでリサーチした結果、ザッと以下の点からここに決めた。
特に、このブログで何度か取り上げて来た食の大切さについては、精進料理からの学びが実に楽しみだ。
精進料理は開祖の道元禅師が宋に仏教を学びに渡った時に始まる。料理を含めて日常の行いそれ自体がすでに仏道の実践であるという弁道修行の本質を知ったことから、曹洞宗では料理すること、食事を取ることは特に重要視されている。
ここ、正覚寺では典座料理という、道元禅師が説かれた食生活の教えが禅寺に継承され、自然を大切にしながら調理された手作りの自然料理が頂ける。
ちなみに、2~6月と9~11月にはお昼にも典座料理を頂くことができるらしいので宿泊しなくても楽しめるそうだ。
早速予約をしようとしたが、このお寺、サイトがリンク切れで公式ページというものが現在見当たらない。仕方なく、なんとか見つけた連絡先に電話する。
住職の奥様の千寿子さんに非常に丁寧な対応をして頂き、すんなりと予約できた。常にWebに頼りきりな昨今、人とのコミュニケーションを軽んじているのかも…と思わせるには十分な教訓となった。
ひとり旅
この正覚寺、東京新宿から足を運ぶにはなかなかの時間がかかる。新宿から最寄駅の飯能駅まで、電車で1時間半、そこからバスで1時間ほど山奥を進む。バスも本数が限られているので、事前によく調べておくと良いと思う。
それにしても、知らない場所に時間をかけて移動するのもたまには悪くない。高田馬場駅から西武新宿ラインに揺られ、車窓を眺める。3月初旬、ポカポカとした雲ひとつ無い天気に心が躍る。
日曜午後の西武新宿線。ゆったりと座れる。
名郷駅についたら今度はバスで1時間。途中、さわらびの湯までに乗客は全て降車。乗客が1人しか居ないのに乗っていないのに丁寧にアナウンスしてくれた。
車窓を眺めながら、のんびり、うとうと。途中、名栗車庫で運転手の交代があった。こんなの初めて。
終点、名郷停留所で下車。普段、東京で生活しているからか、バスを降りた瞬間から、空気が違うのに気がつく。澄んでいて、キリッとしている。小川を流れる水もラムネみたいにキラキラしている。正覚寺の辺り一帯は静かで座禅修行にはもってこいのロケーションである。ツーリング、ハイキング客も多いそうだ。
ゴクゴク飲み干したい。
ひっそりとした山道には、まだ溶けていない雪が。
開催中のひな飾り展ののぼり。正覚寺も堂内で展示している。撮影禁止のため、お見せできないが親子三代受け継がれた立派なひな人形が飾ってあった。
立派な門構えの正覚寺は名郷停留所から歩いてすぐ。
今回はとりあえずここまで。
次回、お勤め編に続く