【座禅合宿: お勤め編】
皆さん、超オハヨー!前回の続き、シシシだよ( ^ω^ )
3時に到着後、本堂に通される。
お茶受けを頂き、小休憩。座禅開始は5時からだそうで、しばしお堂を見学。
この日は1人だけの宿泊なので広い堂内は貸切状態だった。(まぁ、襖で仕切られているので寝る部屋は1つですが。)
広い境内には池があり、その上に橋がかれられ、弁天様が祀ってあった。本堂の裏にはこのお寺のご先祖様のお墓がある。
苔むしていて幽玄な雰囲気な境内
本堂入り口やトイレなど、所々にお花が飾ってあって、嬉しくなる。定期的に替えているのだろう、いきいきとしていました。
座禅開始
午後5時少し前にご住職が本堂へ登場。軽く挨拶を済ませて、早速、座禅へと入ります。
座禅用の座布団に座り、一つ一つ、丁寧に座禅の作法について説明を受ける。座禅中は気になってしまうと言う理由で腕時計は外します。
曹洞宗では通常、壁に向かって座禅を組むのだが、正覚寺では境内の方向を向く。自然と一体になる事を重視しているらしいです。
鐘が鳴り、座禅開始。
普段10分の瞑想しかやっていないため、長時間の座禅は堪える。足は痺れ、どこかしらが痒くなり、背筋はじわじわと痛んでくる…
耐える、痛む、耐える…
雑念が浮かびは消え、浮かびは消える…
いかに自分が目下の課題に取り組めていないかが分かります。
まだかまだかと思いつつ、そろそろ集中力の限界と言うところで鐘が鳴り、終了。
時計に目をやると40分が過ぎていた。
正直、1時間は経っているだろうと思っていたのに全然時間が経っていませんでした。
ミャンマーでは、一日中瞑想が課されましたが、自分の好きな時に歩行瞑想に切り替えることが出来るので30分以上の座禅を組むことは稀でした。だから40分は新記録と言っていいでしょう。
座禅を組むと、苦しいこと、辛いことは人生に必ず生じる。それに抗うか、見方を変えるかは当人次第である、と心身を持って考えさせられました。
住職のお話
続いて般若心経。住職に合わせて、姿勢を正し、声を張り、唱えてゆく。
一通り予定を終えると、住職のお話をしてくれるという。こちら、リクエストに応える形で話のテーマを変えてくれるとのこと。
ちょうど子供が生まれたばかりで、これからどのように仕事に対して向き合っていけばいいかを聞いてみました。
住職: 一つ芯があったほうがいいとは思う。が、たとえば目的地への山道はたくさんあるし、障害も出てくる。そんな時は座禅によって、定石を養えば、少しのことでは、驚かず、何言ってんだ、と言うことが出来るようになって来る。会社の中で意地悪な人は、本人も意地悪されてきている。寛大な人だとやり方を変えられる。
【定力】じょう‐りき〔ヂヤウ‐〕
仏語。五力の一。禅定(ぜんじょう)にそなわる力。心を乱されない力。禅定力。
ちょうど聞きたかった答えが目の前に現れたような気がした。住職の、控えめな振る舞いに心温まりました。
薬石(夕食)
一通り終えて、部屋で一休みしていると
コンコン、コンコンという木を叩く音。この音が聞こえたら宿泊者は配膳台までお料理を取りに行きます。
例えひとりの客だろうが、取り決められたとおりに物事が進んで行くのも、禅の教えを感じることが出来ます。
前回、精進料理についてザッと説明を載せときましたが、千津子さんからも説明があり、精進料理とは、作り手と食べてが精進する。という意味であると教わりました。
食べる直前に、箸の包み紙に書かれた五観の偈(ごかんのげ)を千津子さんと読み上げる。
この日はご飯、味噌汁(大根、もやし)、胡麻豆腐(柚子味噌)、サラダ、りんご、かぼちゃの小豆大根の漬物、お麩のフライ
ご飯は粒立ってて、プチトマトは綺麗に湯むきしてあるし、翌日のごま塩は少量だがキチンと擦ってある。この一膳が並ぶまでにたくさんと人と手間がかかった事がうかがえます。どれも美味しく、丁寧に丁寧に作られたことが伝わってくる。早い、うまい、安いが求められる外食業界では絶対に食べられない、人を思って作られたご飯。本来、家庭料理はこうでなければいけないと痛感しました。
食べ終わったら、一切れ残したたくあんの漬物を使い、お湯でお椀を掃除して飲み干した後、一つにまとめます。
次回で最後。続きます。